&Cosmic art Mira vol3. WEAR*brass

&Cosmic art Mira vol3. WEAR*brass

コズミックアートミラは、「作り手の想いが伝わる」を大切に、世界中の作り手より集めた作品を展示・販売するアートショップ&ギャラリーです。

思わず手にとってしまうような個性的なデザインはもちろん、素材や製造過程にこだわりを持って展開されている素敵なブランドの作品が、小さな宝箱のようにぎゅっと詰まっています。

今あなたが手に取ったその商品。

それらが生まれて、あなたの元まで届く、その過程のストーリーを少しだけ覗く事で、商品へのより一層深い愛着を抱くきっかけになれば…。

連載コラム「&Cosmic art Mira」ではそんな気持ちを込めて、作り手の皆様の思いをご紹介していきます。

今回お話を伺ったのは、真鍮アクセサリー作家・WEAR*brass(ウェアブラス)のmisa(ミサ)さん。

一般企業で会社員として働いていたmisaさんが作家としての活動を始めたきっかけや、その人生をかけて取り組んでいこうと思えるほどに惹かれた素材「真鍮」の魅力についてお話しいただきました。

大切な道具や材料が所狭しと並べられた小さなアトリエからは、一つひとつの作品と丁寧に向き合うmisaさんの作家としてのひたむきな姿勢を感じます。

素敵な作品を生み出す作家の方々は、決して私たちとかけ離れた雲の上の存在ではなく、ただそれぞれの「好き」を追い求めて一歩ずつ進む、地続きの存在なのかもしれません。

misaさんのストーリーが、作家を身近に感じ、その手によって生み出された作品にも、みなさんがどこか心地よさを覚えるきっかけになりますように。

 

■真鍮に魅せられて

WEAR*brass(ウェアブラス)のmisa(ミサ)さんは、元々一般企業に勤める会社員でした。

ご家族の転勤で退職してから専業主婦をしていた際に、たまたま見かけたのが真鍮でできたアクセサリーです。

それまでアクセサリーには興味が無く、身に付けることもほとんど無かったそうですが、その柔らかな輝きと質感に一目惚れ。

製作した作家の方に何度も頼み込み弟子入りし、そこからmisaさんの作家人生はスタートしました。

いまでは師匠と呼ぶその作家の方と二人で立ち上げたブランド『WEAR*brass』として活動し、全国にファンを抱える人気作家となりました。

 

■「真鍮」という素材

独特の鈍い輝きと質感が魅力の真鍮は、私たちの生活の身近なところにも使われています。

五円玉や、ドアやタンスなどの取っ手、照明の金具部分、船の部品やトランペットなど、幅広く用いられる真鍮は、実はとても丈夫な金属。

船の部品に使われるほど水に強く、腐食することがないため、手入れをすれば半永久的に使い続けることができます。

経年変化を楽しめるのも真鍮の特徴。

使っていくうちに表面が酸化し、酸化銅という黒ずんだ皮膜に覆われることで、深みのある真鍮ならではの風合いが生まれていきます。

この経年変化による黒ずみは、金属磨きで磨いたり、お酢に漬けることで取り除くこともできます。

元々の明度の高い輝きと、経年変化で深みの出た輝き、好みによってコントロールできるんですね。

 

■世界観を大切にしたい

misaさんが作品作りで大切にしているのは、トレンドに左右されることの無い、misaさんならではの世界観を大切にしたデザイン。

流行を意識した市販されているプチプラのアクセサリーとは違う、WEAR*brassにしかない魅力を追求しています。

そんなmisaさんの作品によく登場する、「槌目(つちめ)」という模様。

凸凹した表面で光が乱反射するような質感は、misaさんが真鍮に惚れ込むきっかけになった模様です。

いも槌という道具で一つひとつ丁寧に打つことで、作品ごとに表情が異なる、世界に一つだけの模様になります。  

 

■これからのWEAR*brass

アートや文学作品、他の作家の方々の作品など、様々な世界からインスピレーションを受けるmisaさんの作品は、統一された世界観の中でも常に新しい挑戦により進化しています。

最近では「緑青(ろくしょう)」という、薬品につけることで発生させる鮮やかな青色の錆を用いた作品の製作に挑戦しています。

変化を続けるこれからのWEAR*brassの目標は、「お店を開くこと」。

お店でワークショップを開催したり、一部をレンタルスペースにしたり、色々な使い方ができる現代的なお店を構想しています。

近い未来、真鍮のアクセサリーがずらりと並んだお店がオープンするのが今から楽しみですね。

 

 

■好きなことを続ける

作家になるまで、いわゆる普通 の人生を歩んできたmisaさん。

やりたいことがあっても、安定を求めて踏みとどまることも多かったと言います。

そんなmisaさんがこうして作家活動をスタートできたのは、師匠との出会いとmisaさんの行動力によるものでした。

misaさんは作家になると決めてから、小さなアクションを積み重ね、その中で出会う人たちとの交流を大切にしてきました。

たとえその一つ一つがささやかなものでも、コツコツ続けることで大きな未来に繋げてきたのです。 

misaさんが伝えたいのは、好きなことをずっと続けることの大切さ。

自分が「好きだ!」と思えることを、少しずつでも続けていれば、いつかきっと花開くのですね。

ブログに戻る